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新しい扉(官能小説版)

禁断の関係

元小説はこちら→https://huroku-ch.com/553

私は古びた喫茶店の窓際に座り、遠くの海を眺めていました。

心の中では、誠との再会に向けて、深い葛藤と不安が渦巻いていました。

私自身も、家族としての愛を超えた感情を誠に対して抱いており、その事実に長年苦しんでいました。

私は、社会の規範と自らの道徳心に照らし合わせることで、その感情を抑え込むことを選んできました。

しかし、親の遺品を整理しているときに発見した衝撃的な真実――私たちに血の繋がりがなかったという事実は、私の心の中で新たな葛藤を引き起こしました。

誠が喫茶店に現れ、私の前に腰掛けると、私たちの間には長い沈黙が流れました。彼の存在だけで心がざわつき、私は自分の感情をどう扱えばいいのか、ますます分からなくなっていました。

「姉さん、ずっと自分の感情に罪悪感を感じていたけど、今はもう、それを乗り越えるべきだと思う。姉さんも、自分を責め続けるのはもうやめてほしい。」

誠は私の顔色を窺うようにゆっくりと言葉を紡いでいました。

彼の言葉には、長年の葛藤に終止符を打つ決意と、私への深い愛情が込められていました。

私は目を閉じ、深く息を吸い込みました。

「でも、誠、私たちの間には…」

私の言葉は途切れがちで、心の奥深くにある恐れと不安が言葉にならないまま空中に漂いました。

私と誠が姉弟として過ごした日々は、常に私の心に甘い記憶として残っています。

彼はいつも私のことを一番に考え、小さなことでも私を守ろうとしてくれました。

例えば、小学校の頃、私が学校でいじめられて泣いていると、誠は怒りに燃えた顔で年上の自分より一回りも大きい相手に立ち向かっていきました。

その夜、彼は私に「絶対に守る」と約束してくれました。目や頬には青いあざができていました。私はそれが悲しくて、悔しくてなきことしか出来ませんでした。あの時の彼の温かい抱擁が、私の最も暖かい安堵として心に刻まれています。

成長するにつれて、私の心の中で誠への感情は変わり始めました。

彼の笑顔、優しさ、さりげない気遣いが次第に私の心を揺さぶり、ただの姉弟愛を超えた深い愛情へと変わっていきました。

しかし、その感情が日の目を見ることはありませんでした。

誠の無邪気な笑顔を見るたびに、私の胸は痛みと苦しみでいっぱいになりました。

18歳の夏、私たちは海辺を歩いていました。

夕日が海に沈む景色は、まるで映画のワンシーンのようで、私たちの時間は静かに流れていました。

「姉さんは、いつも僕のそばにいてくれてありがとう」

誠が私の手を握り、細く微笑みました。

誠から向けられる感情が、姉弟愛だけではないことはうすうす感じていました。

気が付けば私たちは唇を重ねていました。重ねるだけの、触れるだけのキス。

ああ、このまま二人で時間が止まってしまえばいいのに。

私は胸の高鳴りと同時に、これが許されない恋であるという重い現実に打ちのめされていました。

それから私の心は、姉弟としての絆を超えてしまったこと、そしてそれが社会的に受け入れられないことに苦しみ、耐えられなくなっていきました。

私が彼の、誠の未来を奪ってしまう。私は誠から逃げるように家を出たきり、実家に帰ることはありませんでした。

私が返答に困っているのをみかねて、誠は優しく私の手を取り、私の目を見つめ直しました。

「姉さん、僕たちはもう十分悩んだし、苦しんだ。

でも、今、お互いの心に正直になる時が来たんだよ。

僕たちの感情は、間違いじゃない。

血の繋がりがないことを知った今、僕たちには新しい未来を選ぶ自由がある。

こんなに時間がたってしまったけどね」

彼の心からの笑顔を見て、今まで封印してきた誠への想いがあふれてきました。

「誠、ありがとう。ずっと心に閉じ込めていた感情を、あなたと共に受け入れられる日が来るなんて…」

私の声は震えていましたが、その中には誠との新たな希望を感じていました。

私たちの新しい関係が始まってから、誠と私は何度もデートを重ねました。最初のデートは、私たちがよく行った海辺の公園でした。冬の空気は少し冷たかったですが、太陽が穏やかに輝いており、その日は特別な一日であることを感じさせてくれました。私たちは手をつなぎながら、砂浜を歩きました。波の音と海鳥の鳴き声が、私たちの会話に心地よいリズムを加えてくれました。

「姉さん、こうして普通にデートできるなんて、夢みたいだよ。」

誠が言いました。彼の声には、ほっとしたような安堵の感情が込められていました。

私も微笑みながら応えました。

「本当ね。こんなに自然に一緒にいられるなんて、私も夢のようだわ。」

次に、私たちは地元の美術館を訪れました。誠は美術にそれほど詳しくないと言っていましたが、彼は私が解説する絵画や彫刻に真剣に耳を傾けてくれました。

私たちが特に長く立ち止まったのは、ある風景画の前でした。

その絵は、夕日に照らされた静かな湖を描いており、どこか懐かしさを感じさせる作品でした。

「この絵、なんだかほっとするね。」

誠がつぶやきました。

「ええ、私もそう思うわ。こうして美術館でデートするのも新鮮ね。」

私は誠の肩にもたれながら言いました。

その後のデートでは、私たちはさまざまな場所を訪れました。小さなカフェでのランチ、市内の古い映画館での映画鑑賞、公園でのピクニックなど、二人で新しい体験を共有するたびに、私たちの絆は一層深まっていきました。

どの瞬間も、誠と共にいることがどれほど幸せなことかを改めて感じさせてくれました。

「姉さん、行きたい場所があるんだ」

誠はなにか企むようににこにこしていました。

当日になっても行先は内緒だというので、ドキドキしながら誠についていくと、

「ここって。」

「実家だよ。変わらないでしょ。目的地はここの2階だよ。」

誠に手を引かれて2階に行くと、誠はかつて私が使っていた部屋の前に立ち止まりました。

「僕が世界で一番好きな部屋だ。」

中に入ると、その部屋は18歳で家を出た当時のまま、きれいに保たれていました。

「私が出て行った後もこの部屋をきれいにしてくれていたの?」

「姉さんが帰ってくるときに困ると思って。」

「だからってもう30年以上経っているのに・・・」

「姉さんがいなくなってから、ずっと辛くて寂しくて。ここにいると姉さんがそばにいる気がしたんだ。」

誠は愛おしそうに目を細め、私の手を握りました。

「姉さんとの初めてはこの部屋がいいな。」

舌を絡め合い、獣のように求めあう、あの時とは違うキス。

太い腕に包まれ、身動き一つとれずに唇から鼻、目から耳まで舐め回されました。

誠の息がどんどん荒くなっていき、彼の下半身が脈打つのを感じました。

「姉さん、いや、楓の中に入りたい」

私が頷くと誠は嬉しそうに私を抱き上げ、古いベッドへ移動しました。

「このベッドに、本物の楓がいて、一つになれるなんて嘘みたいだ。

何度もここで、楓とするのを妄想したんだ。」

誠が顔を赤らめながら私の手を熱い下半身に引き寄せ、耳元で「触って」とつぶやきました。それはどくどくと脈打ち、血管が浮き上がるほど固くなっていました。手で包みこむように上下にさすると、先っぽから透明な汁が垂れ、私も男の匂いに興奮しているのを感じました。

誠の指が1本2本と探るように私の中に入り、部屋に充満する雄の匂いと甘い蜜の匂いが混ざり合っていきました。

「楓、もう我慢できない、中に入りたい」

私たちは今までの時間を取り戻すように、体を重ねました。

それから、私は地元に戻り、誠と2人実家で暮らしています。

普段は両親が使用していた寝室を利用していますが、週に一度は私の部屋を使っています。

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