次期社長 作:セラ
次期社長の座を狙う夫は、子作りはしないと宣言し妻の遊子(ゆず)を放置して好き勝手やっていた。 遊子は黙って夫に接するしか方法がなく我慢し続けていた。
そんな結婚生活が続いて4年目。遊子はある真実を知り、この我慢し続けた結婚生活を終わりにすることを決めた。
そんな時だった。夫は家に入れる生活費は1ヶ月1000円だ!と言い出し、お金を家庭に入れなくなった。1000円だなんて1日の食費にもならない…傲慢な夫は考えを変える事はないだろう。遊子はその時ある方法を思いついた。夫へ復讐し、あとくされなく離婚する計画を立てた。
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タワマン最上階は見晴らしがよく、まるで地球が全て自分の物でもあるかのうように感じる。その5LDKの広い部屋にいつも一人でいる遊子。
分厚い眼鏡に長い髪を後ろで束ねた地味な姿はまるでタワマンには似合わない。
小さな電球の灯りだけがついているリビングには、白カーテンから差し込んでくる月明かりが綺麗に輝いている。
窓際に佇んだ遊子。そんな遊子にそっと歩み寄ってくる一人の男性。
スラっとした長身の彼は、優しい感じのイケメン。柔らかい茶色い髪を短髪にして、綺麗な切れ長の目がちょっといかつい感じを漂わせている。
この男性は爽太。遊子の夫が勤務する大手企業のお得意様の取引先の社長になったばかりの男性だ。そして遊子とはなんと大学の同級生で当時交際していた人だった。だが、大学卒業前に大喧嘩をしそれ以降会ってはいなかった。
その間に私は、現在の夫と親の知人からのお見合いで結婚をすることになってしまった。外面の良かった夫に騙された私が悪いのだが、彼のモラハラはかなり酷く、私は憔悴しきっていた。
そして、彼とこのように再会したのは理由がある。夫が浮気をしている現場に偶然居合わせた私の友達が、爽太さんに知らせ、彼はそれ以降私を裏で支えてくれた。
「遊子…」
名前を呼ばれて振り向いた遊子。
「…いよいよ明日ね…」
爽太はそっと頷いた。
遊子の傍に歩み寄った爽太はそっと分厚い眼鏡を外した。
メガネを外すとガラッと雰囲気が変わる遊子は、見かけより随分若く綺麗な魅力的な女性へと変身した。
「もう我慢しなくていいよ。これからは、遊子の幸せだけを考えて生きていけばいい」
「ありがとう。そうするね」
そっと爽太に抱き着いた遊子。
「あなたのところにいたい…ずっと一緒にいたい…」
月明かりの元、そっと見つめ合った爽太と遊子。
爽太はそっと遊子を抱きかかえると寝室へ向かった。
遊子は夫とは別々の寝室。シンプルな白いシーツに包まれた遊子のベットはクイーンサイズでゆったりしている。枕カバーは可愛い花柄で、隣にはもう一つブルーの枕カバーに包まれている枕がある。もちろん夫のものではない。
そっとベッドの端に並んで座った爽太と遊子。
「遊子…」
「爽太さん…」
見つめ合うと自然と引き合って唇が重なる。重なった唇からは電撃のような刺激が伝わってきて、ギュッとお互いに抱きしめ合い激しく求め合ってゆく。
軽くついばむキスから歯列を割って口の中へお互いの舌が滑り込んでくると、逃がさないように絡み合う。唾液が糸を引いて離れたくないと息継ぎをも惜しむくらい激しくディープキスが繰り返され頭の芯まで痺れるくらいのキスが繰り返された。キスを繰り返しながら爽太が遊子のブラウスのボタンを外してゆくと、可愛いピンク色の下着から溢れだしている遊子の大きな胸が露わになる。
爽太の唇がゆっくりと遊子の首筋へと降りてきて、下着の肩紐を下ろした。
肩紐を下ろされると遊子の大きな胸が露わになり可愛いピンク色の乳首が顔を出してきた。
「あっ…」
露わになった遊子の胸を爽太の手が優しく包み込み、丁寧に揉み始めた。 それに応えるように遊子は爽太の体に唇を這わせてゆき愛撫を繰り返してゆく。
ああ…爽太さんとはこれで何回目だろう? 夫とは初夜しか交わしていないが、一方的に襲ってきて何も感じていないのに勝手に進めてゆくだけだった。こんなに優しく胸を揉まれた事もない…ただ痛いだけで痛みすら言えなかった。
片方の手で胸を揉みながら舌先でもう片方の乳首を刺激する爽太。その刺激が遊子の吐息を激しくしてゆく。愛撫していた手を伸ばした遊子は爽太のズボンを下着ごと下ろし、爽太の肉棒に触れた。
遊子を感じながら爽太の肉棒が育ち始めていて、硬くなっていた。ゆっくりと遊子が手で触れるとピクピクと反応する爽太の肉棒。先端を指先で刺激すると爽太からも吐息が漏れてきた。
体に這わせていた唇をゆっくりと下ろしてきた遊子が、爽太の肉棒を加えた。口の中でドクンと爽太の肉棒が脈打つのを感じた遊子。そのまま加えたまま上下に動いて刺激を与え続け舌で先端を刺激すると、ヌルっとした液がこぼれ始め、その液を遊子は丁寧に舐めてあげた。
「遊子…気持ちいい…」
爽太が声を漏らした。
その声を聞くともっと気持ちよくなってと、遊子の動きが激しくなった。
「あぁっ…遊子…最高…」
男の人から漏れてくる吐息と喘ぐ声は、女性の喘ぐ声とはまた違い新鮮さを感じる。夫はこんなことをさせてくれないばかりか下品なくらい乱暴でさっさと終わらせようとしているのがまるわかりだった…。
たっぷりと遊子がご奉仕を終えると爽太が遊子の両足を開いて股に顔を埋めてきた。
「やだ…恥ずかしい…」
小さく遊子が言った。
「綺麗だよ遊子。恥ずかしいなんて、かわいいね」
ニコッと笑った爽太は再び遊子の股に顔を埋め、中に隠れているクリトリスを舌で刺激し始めた。
「あぁっ…」
もう何度も刺激してもらった事があるが、なんだか今日はまた違う刺激を感じて遊子の喘ぐ声がとてもかわいい。腰がうねるようにねじられ、ガクガクと震え始めた遊子は、恥ずかしさと気持ちよさが入り乱れていた。
爽太の刺激で遊子のクリトリスは膨らんできた。すると舌を上下に動かして膣を刺激してゆく爽太がそのまま入り口を指で広げ始めた。
「はぁん…」
感じるたびに遊子の喘ぐ声が大きくなってゆく。刺激する場所を変えながら、爽太は遊子が気持ちよく喘ぐ場所を探しながら責め続けた。
遊子は感じすぎて腰が跳ね上がるくらい動き、膣からは愛液がどんどん溢れてきている。それでも爽太のクリトクス責めは終わらず遊子は頭が真っ白になりそうだった。このままではクリトリス責めでイッてしまいそうだと遊子が思ったときピタッと爽太の動きが止まった。
刺激の波が止まってしまい無意識にまた刺激を求めるように、遊子の体がうねった。
「遊子もっと? 」
「はぅ…」
爽太は時々こうやって意地悪をする。と言うか焦らしてもっと刺激を求めさせる。それが遊子はまたたまらない。
感じている目で遊子が求めていると、爽太の太くて熱くなった肉棒が膨らみきった遊子のクリトリスにこすりつけられた。
「あ…熱い…」
いつもより爽太の肉棒が熱く感じた遊子。その感覚はまた新鮮で気持ちよい。
「あぁ。いいよ…」
「あぁ…。 爽太さん…」
「それに遊子がやっと僕のお嫁さんに、なれる日がくるから…」
「…もっときて…爽太さん…」
フフっと笑った爽太はゆっくりと挿入してゆく。
遊子の中は少し冷たく感じた。爽太がいつも以上に熱くなっているせいもある。入り口からトンネルの中をゆっくりと進んでゆく爽太の肉棒が、ドクンドクンと強く脈打っているのが伝わってきて遊子の吐息が激しくなり喘ぐ声がかすれる程に強くなってゆく。
「遊子…感じる? 僕の事」
「はぁ…うん…」
「もっと感じて僕の事。この先もずっとね」
奥まで入り切った爽太は柔らかくフワフワした遊子の中を楽しむように動き始めた。壁を突いては中全体を味わうように激しく動いては、動きを緩めてフワフワ感を楽しむ。そして機関銃のように激しく突いてくる。その度に遊子は声を上げて喘ぐ。その様子を楽しみながら喜んでいる爽太は最高の幸せを感じていた。
Gスポットを刺激されると遊子のまつ毛に涙が溢れてくるほど感じているのが分かる。感じすぎて頭が真っ白になりそうな遊子をギュッと抱きしめる爽太。
「遊子、僕を見て」
感じている目を開いて言われる通り爽太を見た遊子。
「そう、ちゃんと僕を見たままでいて」
「爽太さん…」
「もう、さん付けは止めて。爽太って呼び捨てでいいよ」
「そ…爽太…」
「そう、それでいい。…このまま一緒にイクから…」
爽太の熱い肉棒の先端が遊子の奥へ激しく押し当てられズキューンと大きな刺激を感じた時、フワーっと優しくて暖かな爽太の液が広がってゆくのを感じた。
愛している…愛されている…そう感じる瞬間。
二人で味わった絶頂は最高の幸せだった。
翌日。
今夜は夫が月に一回だけ夕食を家で食べてお風呂を済ませて夜遊びへ向かう日である。遊子は最高のご馳走を作って夫の帰りを待っていた。
「これで最後の晩餐ね。あなたが1ヶ月1000円で賄えと言った食費で作った最高の晩餐よ」
広いリビングに少し暗めの灯りがついている。その中に4人かけの食卓があり、食事が用意されている。和食と呼ぶにはちょっとグロイ色ばかり。佃煮のような黒いものはコオロギにも見えるが、ちょっとゲテモノのようなものにも見える。煮魚は小さい魚でこれもまた煮込んであるのか真っ黒だ。漬物のような緑色の葉っぱ、そしてお味噌汁は薄そうな色に何かの葉っぱが入っている。
(今日の夕食は家で食べる最高のご馳走にしろ! まずいもの食わせたら、ただじゃすまさないぞ)
偉そうに言って出勤して行った夫。
「あなたが望むとおり最高の夕食を用意しておきましたよ」
壁の時計を見た遊子はニヤッと笑った。
間もなくして夫が帰宅。
食卓に並んでいる夕食を見て舌うちをした夫。
「あなたが仰る通り最高の夕食をご用意しました。色合いは黒いですが、味は最高ですよ。召し上がって下さい」
か細い声で遊子が言うと、夫は黙って椅子に座りご飯を食べ始めた。
「おお。これまうまい! いい味付けじゃないか」
ムスッとしていた顔から笑顔に変わり、ご機嫌で食べ続ける夫を遊子は憮然と見ていた。
「やるじゃねぇか、1ヶ月1000円でもこれだけやれるってことだな」
すっかりご機嫌の夫はどんどん食べ続けご飯をおかわりしていた。
満腹になった夫はすっかりご機嫌になった。
「おう、遊子。お前にご褒美を与えてやろうか? 」
「ご褒美? 」
夫はニヤッと笑いながら遊子に近づいてきた。
近づいてくる夫を怪訝そうに見ている遊子。
よくもまぁここまで太れること。いかにも外食続きって体系。結婚して4年目。この男ももう40歳。しかし髪はかなり薄くなりハゲに近くなっている。スリムだった体系も今では中年オヤジ。
怪訝な目で見ていた遊子はそう思っていた。
「最近さぁ、若い女ばかりでちょっと飽きていたんだ」
ネクタイを緩めながら遊子に近づいてくる夫。
「たまにはお前のようなババアの相手も悪くないよな? 」
中年オヤジが若い子を誘うような下品な夫に遊子はすっかり呆れてしまった。
ゆっくりと夫を見上げた遊子がニヤッと笑った。
「そろそろ効いてくるかもしれません」
「はぁ? 何がだ? 」
訳の分からない顔をしている夫を見て、遊子はゆっくりとブラウスのボタンを外した。
「最後に見ておきますか? あなたが忘れている…私の体を…」
スルッとブラウスを脱いだ遊子。
ブラウスの下は爽やかなブルーの下着。綺麗な白く透明感あふれる肌に絹のように滑らかな首筋と鎖骨は見ているだけでも吸い付きたくなる。
夫は息を呑んだ。
なんだ? こんなに色っぽかったか? 遊子…。
夫がそう思ったとき。
「うっ…」
腹部に急激な痛みを感じてその場に座り込んだ夫。
「あら、思ったよりすごい効き目のようですね」
「ぐっ…な、なんだ…この痛み…」
今まで味わった事がない痛みに夫は真っ青になっていた。
「最後の優しさで救急車呼びますね」
「お、お前…何かしたのか? 」
苦し紛れの夫を見て遊子は小さく笑い、ブラウスのボタンをとめた。
「何もしていませんよ。あなたが言う通り1ヶ月1000円で最高の食事を作っただけです」
「う~っ…」
夫はのたうち回り始めた。
「最高の食事を作るのに使った材料。…先ず、あなたが食べたお魚はうちで飼っていた金魚ですよ。4年間飼っていたので大きくなっていましたが、もう老衰寸前だったようですね」
「はぁ? ふ、ふざける…」
「それから、あなたが食べていた佃煮は。公園の草むらにいた昆虫と、汁物には道端に生えている雑草を使用しました。
「ぐ~っ…ば、バカかお前…」
「仕方ありませんよね、あなたが1ヶ月1000円と仰ったのでお金がかからない方法を選ぶしかありませんから。でも大丈夫ですよ、美味しいって食べれたので死にはしないと思います。
ぐあ~っと悲鳴のように叫び始めた夫。
外同時に救急車が到着して夫が運ばれていった。
遊子は付き添えないと言って後から病院へ駆けつけますと言った。
搬送先は後に連絡が入るそうだ。
夫が運ばれた後、遊子は用意した食事を全てゴミ袋へ入れてまとめた。
綺麗に食器も洗い終えた遊子はタワマンの最上階の窓から清々しい笑みを浮かべていた。
ピンポン。
チャイムが鳴りやってきたのは爽太。
遊子は爽太にギュッとしがみついた。
「大丈夫だよ。あとは僕に任せて」
「はい」
その後。
病院へ運ばれた夫はただの食あたりだと診断された。念のため何を食べたのかと聞かれて遊子が応えたのは普通の魚の煮物とお店で売っている佃煮と答え使った食材を提出した。もちろんこれは爽太が入れ替えたもので夫が食べたものとは別なのは言うまでもない。
食あたりで3日ほど入院した夫。
退院後に仕事に復帰すると社長から次期社長候補から外された事を告げられ撃沈した夫。理由は大手取引先から取引中止が申しだされ悲願したところ、次期社長を別の人にしてもらえればと言われた事だった。
そして遊子から離婚を申しだされた夫。
離婚に応じないと言うと遊子が「またあの最高の晩餐を用意しますね」と耳元で囁かれると恐怖にひきつった顔を浮かべてサインしたそうだ。
そしてタワマンは遊子が購入した物件故に追い出された夫。
数多くの女と浮気していた事もバレてしまい遊子から多額の慰謝料請求と4年間にわたるモラハラと、生活費を家に入れなかったことが虐待に値すると証明され慰謝料は増額し請求した。浮気相手の複数の女にも慰謝料を請求をし、遊子は合計2000万以上のお金を手に入れた。
3ヶ月後。
遊子は身辺整理が終わりタワマンを売却してそのお金を元手に新居を購入した。
実は遊子の家は普通のサラリーマンだが遊子の祖父は大手企業の会長だった。父親は跡を継ぐことをしないで母と結婚した。祖父は父親の気が変わるのを持っていたがそれも叶わないと諦めた。そして次期社長として祖父が選んだのが…爽太だったのだ。
夫の勤務する企業より数倍は大手の爽太の会社は世界進出しているほどの大手だ。そこを切られてもしまうと倒産してもおかしくないだろう。もちろん、次期社長を交代してほしいと申し出たのも爽太だ。
森林に囲まれた新居は穏やかな空気に包まれている。洋風な二階建ての170坪ある一軒家。庭は綺麗な花壇が広がっている。
庭のテラスでゆっくりと紅茶を飲んでいる遊子。その隣には爽太がいる。
「早いわね、あれから4ヶ月。まさかあの人、私の方が実はお金持ちで自分より立場が上なんて思ってもいなかったでしょうね」
そっと隣にいる爽太を見つめた遊子。
「そうだね。もともと僕と付き合っていたのに、無理やり引き裂いて自分の欲望のために結婚させた人だからね」
「4年間。長かったようで短かった…。貴方に再会してからは、あっという間だったけどね」
「あの人は会社から追われて、今は日雇い派遣で暮らしている。その日を暮らすことに精いっぱいで、遊ぶ余裕もないらしい。まだ借金もあるから人生つんでしまったかな」
「そう…。あの後も大変だったようね、しばらくお腹の具合が悪くて会社でも間に合わなくて失敗があったようで」
「天罰だよ。それで随分痩せたようだからよかったかもしれないよ」
爽太はそっと遊子の肩を抱いた。
「明日には入籍できるよ。そうしたら…」
そっと遊子のお腹に手を当てた爽太。
「幸せになろう、この子と一緒に」
1ヶ月1000円の生活費まで追い込んだ夫への復讐。それはちょっとグロかったかもしれないが綺麗に別れる事ができた遊子。本当に心から好きな人と結ばれて最高の幸せを手に入れる事が出来た。もう地味子の遊子ではなく、いまでは誰もが振り向きそうな、とっておきの綺麗な女性になった遊子。その隣には最高に優しい男性の爽太がいる。この幸せは永遠につつく…。
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