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幼馴染 作:まこ
あたしは知らないことがたくさんある。だから、知りたいと思うのは愛なんだと思う。
あたしは薫って言うの。三十五歳のバリバリのキャリア女子よ。
なんて冗談はさておき、あたしは一般企業に勤めているただの経理。
夫は同じ職場で設計開発をしているの。言うなれば、職場結婚ね。夫は隆くんというのだけれど、なんだか今日は不機嫌みたい。
「またあの人のところに遊びに行くのか」
「あの人ってどっち?」
「両方だ」
隆くんの言う、あの人とはつまり、幼馴染の大和と、その奥さんの玲子さんを指している。
大和は幼稚園からの仲だからもう三十年以上の付き合いになるかな。きょうだいのように育ってきたから、大和のところに遊びに行くのは日常茶飯事と言えた。
いつもは文句言わないのに、今日は大和の家に行くことに難色を示すのは、きっと隆くんも休みなのに、あたしが構ってあげられないからだ。そんな子供のようなところも可愛いけど。
そこで電話が鳴った。玲子さんからだ。
「もしもし、玲子さん?」
『ごめんなさい。薫さん、あの人をお願いね』
そこで電話が切れた。
大和の家で何かあったに違いない。隆くんに事情を話すことなく、あたしは大和の家に向けて走り出した。
大和の部屋は鍵が開いていた。バンッと大きな音を立てて、扉を開く。
「大和ー? 玲子さん?」
ダイニングに行くと、歳が十歳くらい老けてしまったかのような大和の姿があった。
「大和? 何があったの?」
揺すってみる。激しめに振っても反応が薄い。
先ほどの電話を思い出してみた。玲子さんの言葉からして、玲子さんは実家に帰ったか。しかし、実家に帰るなら、あんな悲痛な声はしないはずである。
部屋を見回すと、リビングのローテーブルの上に指輪と離婚届が置いてある。名前の欄には玲子さんしか記入していない。推察するに、玲子さんは出て行ってしまったのだろう。
「大和」
「ああ、薫か」
ようやく気付いたようだ。それほど精神的にダメージを負っているらしい。
あたしに気が付いたら、また下を見て項垂れてしまった。大和に元気になってもらいたい。
「あ、そうだ。ちょっと待ってね」
急いで家に帰り、食材をエコバッグに詰めていく。
「どうしたんだ?」
「ちょっと事件が起きて」
ちょっとどころではなかったが、隆くんへの説明は後。まずは大和に温かい朝食を用意することがあたしの使命である。
わかめの味噌汁と、夕飯の残りの肉じゃが、それと卵焼きと白飯。我ながら完璧。
大和の前に並べると、味噌汁の出汁の香りに誘われたのか、お椀を持って啜り始めた。
「美味い……」
温かいものを飲んで、心の中も温かくなったのか、ご飯を夢中で食べ始めた。あたしは元気よく食べる大和が好きだ。でも、今日は元気がなさそう。やっぱり食事をとるだけでは復活しないか。
あたしは大和を立ち直らせるために作戦を練った。
大和は玲子さんを忘れるように日中は無我夢中で仕事をした。大和と仲がいい同僚の方があたしに教えてくれた。
「あいつに何があったんだ? 取り憑かれているような働きぶりだぞ」
夜に大和の家に行ってみるけど、部屋は暗く、夜遅くまで仕事をしていることが分かる。
日曜日になってようやく帰ってきた。
「どこかに泊まってるの?」
「ホテル」
短く答えるだけであとはだんまりな大和。見る度に痩せていく。
あたしができることは、一緒にいることと、大和に温かいご飯を用意すること。
きちんとした食事はやっぱり大事だから、あたしは大和の大好物である里芋の煮っころがしをタッパーに詰めて持っていく。他は、大和の家のキッチンを借りて作る。
うん、完璧。大和のために、香りがして食欲が刺激されるメニューを並べる。本当は食事が好きな大和が匂いに釣られて食卓につく。あたしも一緒に食べることにした。
「お前は料理が上手いな」
「昔から大和はあたしの料理の腕しか褒めないじゃん」
大和は小さく笑った。くしゃっと子供が泣き始める前の顔のように。
そんな生活が一ヶ月ほど続き、大和の細かった体は元に戻った。というより、太った?
「俺もう大丈夫」
「そっか」
あたしの役割はこれで終わり。すっかり元気になった大和はあたしを抱き寄せた。
「大和?」
「本当にありがとう」
あたしは大和を抱き返した。これはありがとうのハグ。あたしたちなりの感謝の気持ち。
ただそのとき、あたしはあることを忘れていた。
「大和完全復活!」
家に帰り、隆くんにそう報告すると、「そうか」と一言だけ。
「隆くん、せっかくの休みだし、今日はお出かけしない?」
「あ、ああ。それもいいな」
隆くんは子供のような人だから、ようやく自分に構ってもらえることが嬉しいみたい。いそいそと準備を始めた。
少し遠出をして、アウトレットモールに行った。すべてのお店を回るには、広大過ぎる土地にあたしたちは息切れをした。
「広いね。どこ行く?」
「ゴルフ用品を見よう」
「いいね」
あたしたちの共通の趣味であるゴルフ。暇なときはよく打ちっぱなしに行くくらいには好きだ。
ゴルフウェアを見ているときである。
電話が鳴ったので名前を見ないで出た。
「もしもし」
『玲子だけど』
「玲子さん!?」
あたしは驚いて、大きな声で叫んでしまった。慌てて声を抑え、玲子さんの話を聞く。
『ありがとう。やっぱりあの人を立ち上がらせることができるのはあなただけよ』
「どこにいるんです?」
『本当にこれで最後。さようなら』
プツと切れると同時に、スマートフォンが掠め取られた。
「今のは、どっちだ?」
背の高い隆くんがあたしを見下ろすように見ている。その目は冷たくて思わず体がブルリと震えた。
「……玲子さん」
「見つかったのか?」
あたしは頭を振った。
「帰るぞ」
ああ、隆くんの機嫌を損ねたなと思った。
帰りの車中、あたしたちはとうとう喧嘩をした。
「なんで分かってくれないの?」
「分かってきたさ。君の大和さんへの献身ぶりをね」
「そんなトゲのある言い方しなくてもいいじゃん」
怒りが爆発した隆くんを止める術がない。こういうときはいつも隆くんの母親が宥めてくれるけど、スマートフォンは隆くんに取り上げられている。隆くんはこちらを向き、あたしをできるだけ罵った。こんなに苛烈な彼を見たことがなく、あたしはただその言葉を受けるだけ。
ふと前を見ると、対向車のトラックが飛び出している。
「前!」
「え?」
ドン! という大きな衝撃があり、あたしの意識はそこで途絶えた。
目を覚ませば、近くの病院だった。
「いてて……」
右脚が吊られている。骨折をしたのだろう。
お医者さんが来て、怪我の説明をしてくれた。でも、あたしはそれ以上に気になることがあった。
「あの、夫は? 夫の状態は大丈夫なんでしょうか?」
お医者さんは緩やかに首を横に振りました。
「残念ですが……」
お医者さんの声がフェードアウトしていった。
あたしのせいだ。あたしが隆くんと接していれば、こんなすれ違いは起こらなかった。
あたしのせいだ。
「あなたのせいよ」
声がした方を見ると、濃い化粧が全て涙でぐちゃぐちゃになっている隆くんの母親がいた。
「あなたのせいで隆ちゃんは……隆ちゃんを返してよォ!」
金切り声を上げる隆くんの母親は看護師さんたちによって病室から追い出された。
数日間、何もない日を過ごした。心も、感情も、何もない。あたしは隆くんの妻失格だ。そんなことを思っても、もう隆くんはいない。空っぽの頭であたしはそれだけを考えた。
「よお」
遠い日、大和は会う度に、そう挨拶をした。制服を着て、あたしの家の前を通る度に、窓に石を投げて「よお」と挨拶をしたあの日々。
「よお、大丈夫か?」
大和と玲子さんで遊び過ぎたせいで、隆くんは拗ねてしまったのだろう。本当に子供っぽくて放っておけない人なんだから。
体が激しく揺れている気がする。地震! 防衛本能で我に返る。
「やっと気づいた」
「大和……」
大和は穏やかな顔をしてあたしを見ている。
「今度は俺がお前を支えるから。だから、薫。戻ってこい」
そんな迷惑をかける訳にはいかない。あたしは子供のようにイヤイヤと首を激しく振る。
「お前、そんな脚じゃまともに生活できないだろう?」
大和はあたしの肩を軽く揺すった。その後、パンパンと軽く叩く。元気が出るおまじないだ。でも、今のあたしには全然心に響くものはなかった。
宣言通り、大和との生活が始まった。
あたしは基本的にベッドの上で過ごした。何もやる気がしないのだ。
「おーい、できたぞー」
寝室にふんわりと豆乳の香りが広がる。
「豆乳鍋だ。食え」
「いい」
大和は拒否するあたしを無視して、箸ですくってフーフーと息を吹きかけるとこちらに差し出してくる。
仕方ないので、少しは食べてやろうと一口。
「美味しい……」
「だろ? この豆乳鍋の汁は俺特製なんだ」
にっと笑う大和は昔から変わらなくて、「ああ、今、大和に助けられているんだ」と思うと、こみあげてくるものがあった。
「どうした? もっと食べろよ」
「……うん」
大和が寝室から出ていった後、涙を一筋流した。
「食事は基本だからな」
徐々に足が治っていくと同時に、感情も戻ってきた。ただ、隆くんへの後悔でいっぱいで心が破裂しそうになる。
「そんなときは泣いていいんだ」
「泣く権利なんてあたしにはない」
「じゃあ、義務にしよう。泣け。いっぱい泣け」
大和は腕を広げてあたしを抱き込む。温かい大和に心がほっとしたのか、我慢していた涙のダムが決壊した。あたしは子供のように泣き続けた。
「薫。話があるんだ」
「どうしたの?」
真剣な顔をした大和に何か強い意志を感じた。
「俺と結婚して欲しい」
「え、でも、玲子さんとの離婚届出してないんじゃ」
もう遠い思い出になったローテーブルに置かれた指輪と離婚届。あれを出したというのだろうか。凄い勇気だ。
「大和は強いね」
「お前のおかげだよ。返事は急がなくていい」
ありがとうのハグをした。大和も抱き返してくれた。
返事を延ばしてしまったけど、あたしの心は決まっていた。もちろん隆くんのことを忘れたわけではない。でも、こんなあたしを大和は受け入れてくれるのだろうか。
「薫……」
あたしをそんなに優しく呼ばないで。好きが伝わってくる。
足が治り、自由に歩けるまで回復した日、あたしたちはベッドを共にしていた。
「大和、ちょうだい」
「ああ」
あたしのパジャマのボタンがもどかしかったのか、バンザイをして脱がす。寝間着だったので、下着はつけていなかった。
「子供の頃、いっぱい見たはずなのに、今は全然違う気持ちだ」
体中にキスを降らせながら、甘い言葉を言う大和。ゴツゴツした手があたしの体を美しい線を描くように滑っていく。
大和と出会って三十年。初めて大和と深くつながった。
「で、返事はどうだ?」
「結婚したい。でも……」
「でも?」
あたしはお腹に手を当てた。その仕草に大和は気づいたようである。
「隆くんとの子供がいるの。だから」
「幸せにしてやる」
あたしは驚いて、大和を見る。
「お前も、その子も、俺が幸せにする。だから、何も考えずに、俺に任せろ」
「本当に?」
最近、泣いてばかりだ。また涙が溢れてくる。大和はお腹に圧をかけないようにそっとハグをした。
「一緒に幸せになろう」
大和の涙があたしの頬に伝った。大和が泣くのを初めて見る。
大和の知らないところをもっと知りたいと思って、あたしは「いいよ!」と元気よく返事をした。
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レビューまとめ
以下、レビューを箇条書きでまとめます。
- 愛弓りょうさんの痴女的な演技が素晴らしく、視聴者を惹きつける。
- 「動かなくてもいい」ではなく「動いちゃダメ、私が動く」といったセリフが印象的。
- 腰を振るだけでなく、回す動きなどプレイの工夫が多彩。
- 挿入後にフェラやクンニを織り交ぜるエロさが高評価。
- 視覚的なインパクトが大きく、「蜘蛛女」のような攻め方が独特で記憶に残る。
- 四つん這いにさせた甥への「スパイダー足コキ」が特に印象的。
- 美しい顔立ちと熟した色気が絶妙なバランスで楽しめる。
- ルックスやスタイルが優れ、演技力がプレイ内容と一致している。
- 全裸での絡みが多く、美しい身体を堪能できる点が評価されている。
- 相手役の甥が完全に支配される構図が視聴者の興奮を誘う。
- 騎乗位での腰振りや結合部を見せる描写が絶景との声。
- 汗だくの描写や淫らな表情がリアルで、作品の雰囲気にマッチしている。
- 視聴者の性癖に直撃する内容で、「どストライク」との意見も多数。
- 男優の選定に不満を持つ声も一部あるが、全体的な満足度は高い。
- 初めての視聴者にも好印象を与え、「次作も追いかけたい」との意見あり。